日本語と中国語は、「手紙」のように同じ形(✿繁体字と簡体字の区別はあるが)をしている単語がたくさんあります。しかし、日本語の「手紙」は「レター」の意味で、中国語の“手纸(shou3zhi3)”は「トイレットペーパー」の意味です。これは同形異義語と言って、インパクトが強いため、学習者が逆に覚えやすいです。学習者にとって習得が難しいのは同形類義語です。同形類義語というは、形が同じで、意味の一部が重なっているが、両者の間にずれがある語のことです。以下は、例を挙げながら説明したいと思います。
1.意味の一部しか重なっていない場合。
左右(さゆう)➡ ①右と左。
②身の回り。そば。「良書を左右に置く」
③はっきりしないこと。「言を左右にする」
④支配する。「株価を左右する」
左右(zuo3you4)➡①右と左。
②そば近くに仕える人。
③支配する。
④ぐらい、前後、約。(看上去五十岁左右。見たところ五十ぐらいの年格好)
⑤副詞。いずれにしても。
例を見て分かるように、両者は「右と左」、「支配する」という意味では対応しているが、またそれぞれの特有の意味用法もあります。
2.意味は同じだが、品詞が違う場合。
愛好(あいこう)➡音楽を愛好する。
爱好(ai4hao4) ➡①趣味。(他的爱好是音乐。彼の趣味は音楽です。)
②好む。(爱好和平。平和を愛する。)
日本語の「愛好」は動詞として使われているが、中国語の“爱好”は主に名詞として使われます。“爱好”動詞として使われる場合もあるが、「愛好」より範囲が広いです。
3.意味は同じだが、使われる範囲が違う。
公園(こうえん)と公园(gong1yuan2)
辞書で調べると意味も品詞も同じようにみえます。しかし、日本では大きい公園もマンション敷地内の小さな公園も「公園」と呼ばれるのに対して、中国では大きい公園のほうしか使われていません。
注:例文は『小学館中日辞典』『小学館日中辞典』から引用
写真はbaidutupianより