中国語の“上”(shang4)と日本語の「上」(うえ)は、名詞として使われる時に同じ意味だとよく言われています。例えば、
(1)桌子上有电话。
○机の上に電話があります。 → ○机に電話があります。
しかし、下記の(2)(3)のような場合は、両者が対応しなくなります。
(2)墙上挂着一幅地图。
?壁の上に地図が1枚掛けてあります。→ ○壁に地図が1枚掛けてあります。
(3)脖子上围着围巾。
?首の上にスカーフが巻いてあります。→ ○首にスカーフが巻いてあります。
(2)(3)から分かるように、“上”と「上」の意味用法が違います。
まず、(1)(2)(3)の日本語を見てください。「机」の後は「上」があってもなくても成立で、「壁」と「首」の後は「上」が必要ではなりません。それは「机」「壁」「首」が「場所名詞」として認識できるからです。
しかし、中国語は違います。中国語の“桌子(机)”“墙(壁)”“脖子(首)”は「物」として認識されていますが、「場所」として認識されていません。後に“上”を付けることによって、場所名詞になります。
さらに、日本語の「上」は「上下」関係しか表すことができませんが、中国語の“上”は(2)(3)のように「表面」を表すことができます。
これらの違いがあるため、“上”≠「上」になります。
注:写真はbaiduより