みなさんは中国の京劇を観たことがありますか?
華やかな衣装に身を包んだ京劇役者たちが、賑やかな銅鑼やシンバル、太鼓などのリズムに合わせて、かろやかに身をこなし、優雅な中国語の台詞を朗々と響かせたり歌を歌ったり舞ったり激しい立ち回りを演じたり…。
中国語を知らない人でも、京劇独特の世界に魅了されてファンになる人は少なくありません。京劇はペキンオペラとも呼ばれ、全世界にファンがいるのです。
舞台の上で展開される幻想的な光景に、きっと誰もが視線を奪われ、心までも奪われてしまうことでしょう。
中国語学習者にとっては、京劇鑑賞は中国文化と語学の勉強が両方一度にでき、しかも楽しい教材になります。
京劇は規範的な舞台演技芸術です。京劇の曲調・楽器・演技・化粧・隈取は、極めて独特で、その役柄は 、生・旦・浄・末・丑に分けられます。生は男役、旦は女役、浄は顔に特殊な隈取をする“花臉”、末は男の 脇役、丑は道化役です。
京劇界のことわざ 

☆台上三秒鐘、台下三年功。
 舞台上の三秒間の演技は、三年間の練習によって支えられる。

☆無技不驚人、無情不動人、無戯不服人。
 技無ければ人を驚かさず、情無ければ人を動かさず、戯無ければ人を服さしめず。
 役者に芸の技がなければ、客は驚かない。役者の心がこもっていなければ、客は感動し ない。 役者に芝居心がなければ、客は感服しない。

☆戯不離技、技不離戯。
 戯は技を離れず、技は戯を離れず。技巧の無い芝居はいただけないが、技巧のための技 巧に走ってはダメだ。京劇評論家・徐凌霄(じょりょうしょう)のことば。

☆不像不成戯、真像不是芸。
 それらしくなきゃ芝居じゃない、そのまんまなら芸じゃない。

☆名家無専師。
 名家に専師無し。いろいろな師について広く芸を学ぶ者が、名優になりうる。

以上は、京劇の基礎知識と京劇界のことわざについて簡単にご紹介しました。まだ京劇を観たことのない人も、ぜひ一度、劇場へ…!

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