擬音語とは、実際の音をまねて言葉とした語です。どの言語にも擬音語がありますが、言語の種類によって、同じ音でも、全然違う音の表記になるので、大変面白いです。今回は、動物の鳴き声を例にして、中国語と日本語の擬音語を見てみましょう。
たくさんの例をみると、発音の似ているグループAと発音が全然違うグループBがあることが分かります。
グループA
動物 |
鳴き声(日) |
鳴き声(中) |
羊 |
メー |
咩咩(mie1 mie1) |
牛 |
モーモー |
哞哞(mou1 mou1) |
犬 |
ワンワン |
汪汪(wang1 wang1) |
アヒル |
ガーガー |
呱呱(gua1 gua1) |
蜜蜂 |
ブーン |
嗡嗡(weng1 weng1) |
カラス |
カー |
嘎嘎(ga1 ga1) |
ハト |
クック― |
咕咕(gu1 gu1) |
猫 |
ニャー |
喵喵(miao1 miao1) |
めんどり |
コッコッコ |
咯咯(ge1 ge1) |
グループB
動物 |
鳴き声(日) |
鳴き声(中) |
蛙 |
ゲロゲロ |
呱呱(gua1 gua1) |
蝉 |
ミーンミンミン |
知了(zhi1 iao) |
ヒヨコ |
ピヨピヨ |
叽叽(ji1 ji1) |
おんどり |
コッケコッコー |
喔喔(wo1 wo1) |
小鳥 |
チュンチュン |
喳喳(zha1 zha1) |
ネズミ |
チューチュー |
吱吱(zhi1 zhi1) |
馬 |
ヒヒーン |
嘶嘶(si1 si1) |
カッコウ |
カッコウ |
布谷(bu1 gu) |
豚 |
ブーブー |
呼噜呼噜(hu1lu1 hu1lu1) |
ヘビ |
シュー |
嘶嘶(si1 si1) |
キツネ |
コンコン |
嗷嗷(ao1 ao1) |
象 |
パオーン |
嗷嗷(ao1 ao1) |
グループAの中の猫の鳴き声は中国語で喵喵(miao1 miao1)と書いて、「ニャー」と少し違いますが、言語によってもともと音韻のシステムが違うので、まだ理解できます。しかし、グループBのおんどりの鳴き声のように、両言語が全然違うのはなぜでしょうね。たぶん発音上の問題だけではないでしょう。みなさんもぜひ自分で考えてみてください。
写真はbaidutupianより